歯周病

今や生活習慣病とも言われている歯周病。30代の人でも80%の人が疾患していると言われております。

歯周病は、ほおっておくと歯がどんどん抜けて行ってしまう病気ですが、それよりも恐ろしいのが、脳卒中や呼吸器疾患、糖尿病の悪化など、全身の健康にも悪影響を及ぼしてしまうという事。まさに命に係わる病気なのです。

さらに、その原因となる歯周病菌は、お口の中のわずかな傷などから血管に侵入してしまうと、わずか90秒で全身を駆け巡ってしまうというデータもあります。サイレントキラーとも呼ばれている歯周病は痛みもないままどんどん進行し、自覚症状が出るころには、かなり進行してしまっている状態の場合がほとんど。

少しでも「おかしいな?」と思ったら、早めに歯科医院に相談し、対策をされることをおススメいたします。

歯周病治療を行う前に。原因を把握し、患者さまに合った治療方法をご提案

一言で歯周病といっても、その原因はさまざま。多くは、日々のブラッシングなどのメンテナンス不足によるものですが、中には、生活習慣や体質などから、歯周病になりやすい環境にある方もいらっしゃいます。

当院では、適切で効果的な治療ができるよう、また治療後の再発を防ぐために、治療の前にまずはその原因をしっかりと把握し、患者さまに合った治療法をご提案できるよう、さまざまな取り組みを行っております。

位相差顕微鏡による原因菌の検査

位相差顕微鏡とは、口腔内に住む歯周病菌やカビ菌などの細菌の種類や量を確認するための機械です。

お口の中に住む細菌の種類は非常に多く、常に約500~700種類もの細菌が生息していると言われております。また、一言で歯周病といっても、その原因菌にも10種類以上の菌があり、それぞれの菌によって症状や特徴が異なります。

位相差顕微鏡でご自身の口腔内に住む菌の種類を調べることで、虫歯や歯周病のリスクやお口の中の状況に合わせた除菌・治療方法も知ることができますので、効果的な予防や治療が可能になります。

当院では、より多くの患者さまに検査を受けて頂きたいという想いから、位相差顕微鏡による細菌検査を300円という格安価格にてご提供しております。

管理栄養士による栄養指導

  • 疲れたときに、歯茎が浮いた感じがする
  • 風邪をひいたときに、歯茎が痛む

このようなご経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?

歯周病は、細菌による感染症。睡眠不足や栄養不足、過度なストレスなどで体の免疫力が下がると、歯周病への感染リスクも高くなってしまうのです。

当院では、管理栄養士の資格を持ったスタッフも在籍。歯周病になりにくい生活習慣のアドバイスや、患者さまに合った食事メニューのご提案など、栄養学の面から歯周病予防のためのサポートをさせて頂いております。

普段から感じているちょっとした疑問などにもお答えさせていただいておりますので、「こんなこと聞いたらへんかな?」と思わずに、なんでもお気軽にご相談いただければと思います。

管理栄養士による無料栄養相談はご予約が必要となります。ご希望の方は予約時にお申し付けください。

当院で行う歯周病治療

スケーリング・ルートプレーニング

スケーリングとは、「スケーラー」と呼ばれる専用の器具を使って、日常のブラッシングでは取り切れない歯石や汚れを除去していくことを言います。
歯茎の下の見えない歯石も、このやり方でしっかりと除去していきます。

また、ルートプレーニングとは、歯の根の表面をつるつるになるように磨いていくことを言います。

根っこが凹凸だと、その部分に汚れが溜まりやすく、細菌感染の原因になってしまうため、平らにして汚れをつきにくくするのです。スケーリングとルートプレーニングはセットで行うことが多く、歯周病治療を行う上で欠かせない、基本ともいえる治療です。

ぺリソルブ

ペリソルブは、スウェーデンで開発された歯周治療用薬剤で、歯垢(プラーク、バイオフィルム)・歯石だけに作用し、やわらかくすることができる画期的な薬品です。

歯肉を傷つけることないうえ、刺激・副作用のある抗生物質を使用しないので、安心・安全に治療を行うことができます。

また、協力な殺菌力がありますので治療後の治癒も早く、歯茎の腫れも引きやすいというメリットがあります。

従来の治療法との違い

従来、歯周病の基本治療として、歯の表面や歯周ポケット内の歯垢と歯石を除去する「SRP(スケーリング・ルートプレーニング)」と呼ばれる治療が行われてきました。
これらの治療は機械や専門の器具を用いて歯周ポケット内の歯垢・歯石に物理的にアプローチする方法のため、歯肉を傷つけてしまうことも多く、歯石の付着状況によってはどうしても痛みを伴うことが避けられないケースも多くありました。
しかし、ペリソルブを使うと硬い歯石を柔らかくすることができますので、弱い力で歯垢・歯石を除去することができ、その分痛みを感じさせない治療が可能となりました。

フラップ手術

歯周病が進行してしまった場合、歯周ポケットがとても深くなってしまうために、スケーリングやルートプレーニングでは歯周ポケットの奥にある歯石や汚れを除去することが難しくなってしまいます。

そのような場合は、歯の根元付近にある歯石や汚れまで完全に除去するために、歯茎を切り開いて直視下で処置を行う外科治療(フラップ手術)を行います。

徹底的に汚れを取り除くことができるため、悪化してしまった症状を一度リセットするという意味ではとても有効な治療法ですが、患者さまの負担も大きく、また、状況によっては適用できない場合もありますので、歯科医師とよく相談しながら進める必要があります。

フラップ手術のメリット
  • 歯周ポケットの奥深くの歯石や細菌まで徹底的に取り除くことができる。
フラップ手術のデメリット
  • 手術後に歯茎が下がってしまい、知覚過敏を起こす可能性が生じる
  • 手術後のメンテナンスを怠ると、歯周病の進行スピードを加速させてしまう。
  • 手術後、麻酔が切れたときに痛みが生じることがある。

レーザーを用いた治療LAPT

歯周病が進行してしまった場合で上記のフラップ手術が有効と判断された場合でも、外科手術が怖いなどの理由により治療が出来ない場合もあります。

そのような場合、当院では、自由診療にはなってしまいますが、半導体レーザー「LAPT」を使用した治療をおススメしております。

レーザー機器LAPTを用いることで歯周ポケットの奥の細菌を除去することが出来ますので、歯周外科手術を回避し、痛みもなく短期間で治療を終えることが可能です。

半導体レーザー「LAPT」とは

LAPTとはアメリカ西海岸で生まれた、レーザーを用いた最新の歯周病治療技術です。

歯科治療に使われるレーザーはさまざまな種類がありますが、その中でも「ダイオード(半導体)レーザー」というものを使用し、歯周病の原因である細菌を除去する方法です。

半導体レーザーには歯周病菌を除去する殺菌効果に加え、炎症を起こしている組織を除去する働きも備わっているため、これらのWの効果で歯茎の再生や回復を促進することが可能です。

ダイオード(半導体)レーザーの特徴
  • 痛みを緩和させる効果があるため、ほとんどの場合で麻酔の必要がない。
  • 止血効果により、治療時の出血を最小限に抑えることが出来る
  • 炎症を起こしている組織だけにピンポイントで働きかけることが出来るため、健康な組織を傷つけずに治療することが可能
  • 炎症を抑えたり、傷口の殺菌や治癒を促進する効果があるため、治療経過が良好となる。

3DS除菌法

3DS除菌法とは、専用の薬剤をマウスピースに注入してお口に装着することで虫歯菌や歯周病菌を除菌し、歯垢が定着することを集中的に抑える治療法です。

虫歯や歯周病は、細菌による感染症。体質によっては「しっかりと歯磨きをしているのに、虫歯や歯周病になってしまう。」という方もいらっしゃいます。

そのような、もともと虫歯や歯周病にかかるリスクが高い患者さまに対しては、この3DS除菌法による治療がとても効果的です。

小さなお子様や妊娠中の方でも安心してご利用いただけますので、ご興味がある方はお気軽にお声がけください。

このような方におススメです。
  • 毎日しっかりブラッシングしているのに、虫歯や歯周病になりやすいという方。
  • 歯並びが悪かったり、矯正治療中ですみずみまでブラッシングするのが難しい方。
  • 特に、歯の生え変わり時期のお子さまで虫歯の多い子。
  • 妊娠中、もしくは授乳中の方で、お子さまに歯周病菌や虫歯菌を母子感染させたくないお母さま。

PMTC

PMTCとは?

PMTCとは、「プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」の略で、簡単に言うと歯科医院にて専用の器具を用いて行う歯の清掃のことです。

中には、「うちで毎日しっかりすみずみまでブラッシングしていれば大丈夫!」と思っている方もいらっしゃるのではないかと思いますが、ご自身の手で汚れ(プラーク)を毎日100%落とすのはとても難しいこと。どんなに綺麗に磨ける人でも歯ブラシのみで60%、デンタルフロスを使用しても85%程度までしかプラークを落とすことがでいないと言われております。

さらに、その除去されずに残ってしまったプラークは、48時間後には「バイオフィルム」と呼ばれるヌルヌルとした薄い膜を形成。このバイオフィルムは歯ブラシなどで簡単に除去することが出来ないため、中でどんどんと細菌が繁殖し、歯周病や虫歯を引き起こし、進行させてしまいます。

このような悪循環を防ぐためには、定期的に歯科医院にて専用の機械を用いてバイオフィルムを除去してあげる必要があります。

一言でPMTCといっても、歯科医院によって内容やサービスは異なる

最近では「3カ月に1度はPMTCを受けましょう」と推奨する歯科医院も多くなり、PMTCという言葉もだいぶ普及したように思います。

当院にも「PMTCを受けたいんですが…。」という患者さんからのお問合せが多くなってきました。

ですが、ここで注意していただきたいのは、「PMTC」というのは特定の施術内容を指すものではなく、前途のように「歯科医院にて専用の器具を用いて行う歯の清掃」としてのみ位置づけられている処置のため、それを行う歯科医院によって施術の内容やサービスが大きく異なるという事です。

PMTCを目的として歯科医院へお問い合わせをする際には、事前にHPなどでその内容を確認してからご予約されることをおススメします。

当院で行うPMTCの特徴

ポリリン酸配合クリーニングジェルを使用

当院では、ポリリン酸ナトリウムを配合したクリーニングジェルを使用したPMTCを行っております。

最近では「ポリリン酸ホワイトニング」という新しいホワイトニング方式も注目されておりますので、ポリリン酸という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

ポリリン酸とは、生物の体内に存在する生体構成物質で食品添加物としても使用されている安全性の高い化合物。

着色を落とすのはもちろん、歯面をコーティングして歯質を強化したり、汚れや歯石が着くのを防止したりする効果があります。

クリーニングをするたびに歯を白く、強くしてくれるため、歯周病予防はもちろんのこと、お口元を美しく保ちたい方にもおススメです。

口腔内マッサージの併用

PMTCのオプションメニューとして、当院では専門スタッフによる口腔内マッサージも行っております。

お口の中には手のひらや足の裏と同じように、たくさんの「ツボ」があると言われており、その数は40以上とも言われています。

口腔内マッサージの主な効果は口腔内環境を正しく整えたり歯周病菌を減少させることですが、お口の中のツボを刺激しながら歯茎をマッサージしていくことで、歯茎の血流やリンパ腺の流れを良くする事はもちろん、身体全体の疲れが取れたり、リラックス効果も期待することができます。

当院のPMTCの流れ
  • スケーリング・ルートプレーニングにより、歯の表面や歯周ポケットの中に出来てしまった歯石や歯垢を取り除きます。
  • フッ素入りの研磨ペーストを注入し、「歯と歯の間」や「歯と歯ぐきの境目」などの虫歯になりやすい部分を中心に丁寧にお掃除していきます。
  • 次に、ポリリン酸配合のクリーニングジェルを注入し、ゴム製のチップや回転式ブラシを使って歯面全体をキレイにクリーニングしていきます。表面がツルツルになるように、丁寧に磨いていきます。
  • 5種類のアロマオイルを使用した歯茎マッサージを行います。歯茎の血行を促進することで免疫力を上げ、歯周病予防もできるほか、口腔内のツボを刺激することでリラックス効果も見込めます。
  • 最後の仕上げに、フッ素によるコーティングを行います。これにより歯の再石灰化を促進し、歯質をさらに強化していきます。

歯周病を再発させないために

点滴療法

当院では、治療後の免疫力アップのために点滴療法も行っております。

  • ビタミンC注射(免疫力アップ/疲労回復/歯周病予防)700円+施術料500円
  • シーパラ(口内炎の予防・回復)1,000円+施術料500円
  • プラセンタ(細胞の活性/新陳代謝・血行の促進/自己治癒力アップ)1,000円+施術料500円

また、インプラント手術の後や外科的な治療を行った後などの治癒促進効果もあります。ご希望の方はお近くのスタッフまでお気軽にお声がけください。

歯ぎしり・食いしばりによる歯周病の悪化を防ぐ

「歯ぎしりや食いしばりが、どうして歯周病と関係があるの?」

そのような疑問を抱いてしまう方も多いと思います。

もちろん、歯周病自体は細菌による感染症ですので、歯ぎしりや食いしばりが直接歯周病を引き起こすことはありません。

ですが、既に歯周病にかかってしまっている患者さまの場合、歯ぎしりや食いしばりにより歯に過度の負担がかかってしまってしまうと、歯肉や組織に炎症が起こり、歯周病を悪化させる原因になってしまうのです。

理想的には、歯ぎしりや食いしばりをやめることがベストですが、特に夜中無意識のうちに行われる歯ぎしりなどは、なかなかご自身ではコントロールすることが出来ません。

当院では、歯ぎしりや食いしばりによる圧力から歯を守るために、睡眠時に装着するマウスピース(スリープスプリント)や、噛む力(咬筋)の緊張ほぐすためのボトックス注射治療を行っております。